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フジカミニとは
小さな宝石箱
フジカミニは東京オリンピックが開催された1964年に発売されました。価格は9600円、当時高卒初任給は22000円でやや高級なカメラでした。
女性向けに開発されたフジカミニはポケットやハンドバックに入るほど小さく、手のひらに収まってしまうほどのサイズです。ハーフサイズカメラのため、このサイズでフィルム一本あたり最大72枚撮影することができます。
シャッターは1/125秒固定、レンズは固定焦点となっていて、写真を撮るのが簡単になっています。フィルムのラチチュードの広さ、ハーフサイズの被写界深度の深さを活かしたカメラといえますね。
4つの宝石
カメラのトップカバー上面にはフィルム感度と適正露出を示すメーターがあって、目盛り代わりに4個の人工宝石が付いています。
左側から、ISO25のルビー(ピンク)、ISO50のサファイア(ブルー)、ISO100のトパーズ(イエロー)、ISO200のペリドット(グリーン)とラインストーンが並んでいて、指針がセットしたISO感度に合致すると適正露出であると分かる仕組みになっています。
メーターはセレン光電池で動作します。露出の目安を計るためのものなので、劣化していても撮影には影響しません。
オシャレなデザイン
宝石箱のようにエレガントなデザインのフジカミニは、フジペットを担当した甲南カメラ研究所の西村雅貴所長による設計と東京芸術大学の田中芳郎教授によるデザインで開発されました。
黒をベースとした落ち着いた配色にシルバーの貼り革やダイヤルがアクセントとなり、シックなデザインの中に4色の宝石が輝きます。
正面右側は巻き戻しレバーが配置され、それに沿うように丸みを帯びています。非常に小さいながらも金属製の高級感溢れるアイテムです。
レンズ部分前面のセレン光電池受光部と、光の反射で色の美しいUVガラスはまさに機能美。カジュアルでもドレスでも似合うようなオシャレなカメラです。
発売当時、高価だったために販売成績は振るわなかったらしく、中古でもあまり見かけず、コレクター価格になっているものもあります。オークションの出品情報は要チェックです。
現在のオークション出品
バリエーション
- New fujica Mini
- 一部を改良した輸出専用機で、シルバーの貼り革はブラックに変更されています。
最近「フジカミニ」を話題にしたブログ
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スペック
- 発売年
- 1964年9月
- フィルム
- 35mmフィルム(ハーフサイズ)
- レンズ
- フジナーK25mm/f2.8(3群3枚)
- 焦点調整
- 固定
- シャッタースピード
- 1/125秒のみ
- 撮影可能枚数
- 36枚撮りで72枚
- サイズ
- 88×62×40mm
- 重さ
- 290g