古いレンズを買う
中古カメラ店にズラリと並ぶ銀色のレンズ。
プラスチックにはない精密感と高級感は、今の時代にこそ、輝きを増しているようにも見えます。
そんな古いレンズを手にしてみたくなりませんか?
古いレンズの良さとは
古いレンズとはどのくらい古いものなのでしょうか。
有名なものでは、実用的なものであっても70年前のライツ社製レンズなどがあります。
いまでもライカLマウントを採用するカメラはたくさんあり、マウントアダプターを組み合わせることで、最新のデジタルカメラでも使うことができます。
古いレンズの魅力は大きく3つあります。
- 外観
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小さめで、リングに刻み込まれた細かな目盛りや数字は工芸品のように丁寧な仕上がりです。
また、沈胴式と呼ばれる、筒が引っ込んでコンパクトになる仕組みのあるレンズもあります。
- トーン(描写力)
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白黒フィルムの時代に作られたレンズは、白が真っ白にならないよう、黒が真っ黒にならないよう、出来るだけ表現豊かに写るようになっています。
カラーフィルムの時代になると、色鮮やかにメリハリがつくように、コントラストを上げています。
比較すると、古い白黒時代のものの方が、優しい印象のある写りになるのです。
- 癖のあるボケ
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絞りを開けて近くにピントを合わせたとき、背景はぼんやりとボケます。
古いレンズでは、このボケが渦を巻いていたりして、特徴のある写りになるものがあります。
他のレンズにはない写りが特別で、面白味があるのです。
このように、古いレンズには、今のレンズにはない魅力をたくさん兼ね備えています。
こんなレンズにご注意
あるとき、私は前から欲しかった一本の古いレンズを買いました。
そのレンズは傷もなくてピカピカで、レンズの表面には、特にこのモデルで性能の良いとされる青いコーティングが施されていました。
そうして手に入れたレンズをお供にして写真を撮って、ある日気が付きました。
「ピントがずれてしまう」
実は、傷一つないピカピカだったレンズは、研磨されていたのです。
古いレンズなら細かな傷くらいたくさん付きます。けれども綺麗じゃないと写りが良くないと、専門の業者に表面をツルツルに削られてしまったようです。
削られたレンズの見た目は新品同様で蘇ったように見えますが、削った分だけピントの精度は狂ってしまい、もう二度と元には戻ることはありません。
良い買い物をする方法
古いものを買うのに、新品と同じことを望むのでは、なかなか良い品に巡り会うことはできません。
それどころか、新品のような外見の欠陥品を、美品として高値で掴んでしまうかもしれません。
古いものは大切に使っていても、汚れたり傷付いたりします。
これが数十年にも及んだわけですから、このことを十分に承知すれば、実用上全く問題のないレンズを比較的安く手にいれることができます。
いろいろな国で様々な人々の手から手に渡ったレンズですから、結局は、ご縁ということになるのかもしれません。
もし、傷や性能の劣化が気になるのであれば、コシナのフォクトレンダーレンズなどを新品で入手することもできますよ。