絞りの役割

絞りとは

絞りとは、レンズを通る光の量を調節する仕組みのことです。人間でいうところの瞳孔ですね。F値という数値の単位が使われます。

このF値が小さければ、レンズを通る光の量は多く、この状態を「(絞りを)開ける」と表現します。

反対に、F値が大きければ、レンズを通る光の量は少なくなります。この状態は「(絞りを)絞る」と表現します。

F値で変わる被写界深度

レンズを通す光の量を絞りで調節すると、ピントの合う範囲が変化します。

ピントの合っているところの前後の距離を被写界深度と言って、この範囲にあるものはピントが合ってハッキリ写ります。それ以上の距離になると、だんだんとボケていきます。

絞りを開くとボケが大きくなる

絞りを開くと、被写界深度は狭くなります。ピントの合う範囲は少なくなって、ピントの合ったところ以外はボケて写るようになります。

浅い被写界深度の例
©*Zara

望遠レンズや近くを写すマクロレンズなどでは被写界深度の浅さが特に強調されます。

絞りを絞るとボケがなくなる

反対に、絞りを絞ると、被写界深度は広くなります。ピントの合う範囲は広くなって、どこもハッキリと写るようになります。

細部まではっきりと写し撮りたい時や、スナップなど一瞬を切り取るのにピント合わせの時間を省略するときなどに用いられます。また、副次的な作用ですが、絞り込むことでレンズの性能が高まります。

深い被写界深度の例
©ben124.

広角レンズで被写界深度の深さは特に強調されます。

絞り値が変われば光の量も変わる

f16、f32など、絞りの数値が高ければ高いほど、フィルムに当たる光の量は少なくなります。

少なくなった光の量を調節するのが、フィルムの感度シャッタースピードの役割になります。

それぞれの設定を組み合わせて適切な光の量をフィルムに当てて撮影を行います。