シャッター速度の役割

シャッター速度とは

シャッター速度とは、写真を写している間の時間(=フィルムに光が当たっている時間)を示しています。

シャッター速度が早ければ、人がジャンプする瞬間や、バケツの水をひっくり返した瞬間など、一瞬の出来事をピタっと撮すことができます。

反対に、シャッター速度が遅ければ、動いているものがブレたり、残像が流れて写ったりします。

速いシャッターは止まって見える

カメラのシャッターダイヤルに「1000」という数字があるとすれば、それは1/1000秒の瞬間を写すということです。フィルムには約0.001秒間の光が差し込みます。

この0.001秒間に移動した距離の軌跡がフィルムに残ります。これはほぼ一瞬で、その間に被写体が移動した量は少ないので止まったように写ります。

高速シャッターの例
©jdanvers

遅いシャッターは動いて見える

「1」という数字があるとすれば、これは1秒を写す、フィルムには1秒間光が差し込みますということを示しています。

この1秒間に動いた軌跡がフィルムに写ります。たくさん動けば動くほど、ブレたように写ります。もちろん、自分が動いたら"カメラブレ(手振れ)"になります。

低速シャッターの例
©jdanvers

光の軌跡が残ることを活かす

北の方角の星の動きを写したもの
©gerlos

遅いシャッター速度を利用して、自転による星の動きを写した天体写真や、自動車や観覧車など夜の街で動く光源を線にした夜景写真を撮ることができます。

また、川や滝、海などの水の流れを長時間写し撮ることで水面を滑らかに表現することもできます。

雷写真の例
©Prachanart

以上のことを応用すると、シャッターを開きっぱなしにした上で暗闇でストロボなどを使うと、被写体の一瞬の動きを写し撮ることもできます。

速度が変われば光の量も変わる

1/60秒、1/1000秒など、シャッター速度が高ければ高いほど、フィルムに当たる光の量は少なくなります。

少なくなった光の量を調節するのが、フィルムの感度レンズの絞りの役割になります。

それぞれの設定を組み合わせて適切な光の量をフィルムに当てて撮影を行います。