あなたの撮り方に問題はないか?
望遠レンズで遠くから撮る、ファインダーを見ずにシャッターを切る、こういったテクニックで相手に気付かれないまま、大きく写そうとする人は多くいます。そして自分は知らぬ間にシャッターを切ることができるから気付かれていないと思っています。
いいえ、丸分かりです。
バレていないつもり
コンパクトデジカメの性能が十分になった頃、ノーファインダー撮影が非常に活発になりました。
ノーファインダー撮影とはなにかというと、通常はカメラを顔の位置まで持って行って、ファインダーを眼で覗きこんでシャッターを切るわけですが、これでは写真を撮っているというポーズをしていることになるため、肩からカメラをブル下げたまま、勘でシャッターを切るというものです。
先のコンパクトデジカメによるノーファインダー撮影とは、背面のパネルを弄っている風に、あるいは構図を決めている風にしてしれっとシャッターボタンを押すというものです。渋谷のスクランブル交差点を始めとする人混みの多いところでよく見かけましたし、早速そういうシリーズで写真展を開いた方もいらっしゃったようです。
あれで気付かれないわけがないのです、目線が入っている写真もありますし、だいたい、すれ違いざまに撮った相手が、その直後なんて喋っているか知っていますか?
相手のやさしさ
カメラの存在に気づいていても、いちいち構っていられるほど相手も暇ではありません。また、撮影者は、気付いた相手は必ず怒鳴ってくるものだと決め付ける傾向にありますが、そんな不寛容な人間ばかりではありません。
例え、山手線の車内で向かいに座る綺麗な女性をひざ上に置いたミラーレス一眼で連写していようが、周囲の人間は哀れみをもって言わないだけなのです。多様性に関して寛容であるからこそ社会生活は円滑なのであり、その恩恵にあずかっていることへの感謝を忘れてはなりません。
もっとも肝に銘じるべきなのは、人への感謝を忘れて、気付かれていないと思い違い、自分のスキルに自惚れていれば、周囲にはだんだんと似たような人間が集まってくるということです。
あなたがバレてないからと良いように写真を撮るのなら、相手もバレていないからと有りもしない法律を使って良いように怒鳴りつけるものです。自分の態度が相手の態度と呼応することも忘れずに。