法律はあってないようで2つある / ストリートスナップ撮影方法入門

法律はあってないようで2つある

ストリートスナップで切っても切れないのが法律のお話。相手の許可をとるモデルリリースなどは60年前のカメラ誌にも掲載されているほど昔っからの問題なのです。

ここでは難しい法律の話はしませんが、知っておくべきことについて触れたいと思います。

「肖像権」がない

日本には肖像権というものがありません、そういう権利は定めて無いんです。が、それに相当する権利や判例があります。つまり、あるけどありません。

しょうぞうけんしょうぞうけんと主張する人は、ちょさくけんと言い間違えたりするくらいですので、法律の難しい話はだいたい無駄です。

「私刑」執行

無駄に終わらない話をしましょう。「私刑」についてです。

私人による刑罰という意味であり、何よりも身近で、ときに暴行などの犯罪行為に発展することもありますので、撮影者にとって無視することの出来ない刑罰です。

私刑はどのようなときに発生するかというと、日本の法律に定められていなかったり、定められていても大した罰が与えられないから私的なリンチを加えたいときに起こります。

例えば、夕方の海辺で我が娘を水浴びさせていた、そこへ望遠レンズを三脚に載せ、太陽に向けている輩が現れた、あいつはきっと隙を伺って愛しい我が娘の水着姿を撮るに違いない、未然に防がなくてはいけないな、よし、一発お見舞いしてカメラもオシャカにしておこう。というのも私刑の一例です。※これはカメラ雑誌の投書欄にあった話を元にしています。

私刑が執行されないためには、身なりを整えること、撮り方を客観視すること、長居をせず、接触しないことが重要です。事が起こってからでは双方にとって取り返しがつきません。

ストリートスナップでの法律の話は法律の話ではなく、感情の話なのです。感情丸出しだと恥ずかしいから、聡明に聞こえる法律用語を多用しているだけです。法律の話はやめて、相手の気持ちを考えてみませんか。