はじめてのフィルムカメラ ~デジタルよりも、ずっと記憶に残る一枚を。~
フィルムカメラとは?
フィルムカメラとは光に反応する感光剤の塗られたフィルムを使って像を記録するカメラのことです。
このフィルムは「ネガ」などと言われているもので、像を作るための光以外が当たらないよう、普段はパトローネという小さなカートリッジに収められています。現像という化学処理を施すことによって、撮影した画像を光に晒して見ることができます。
光に反応する性質を使うので、フィルムをカメラにセットしてから現像するまでは、途中で何が写っているかはお楽しみです。
フィルムカメラにはどんなものがあるの?
一眼レフ、二眼レフ、レンジファインダー、コンパクトカメラ、ハーフサイズカメラ、中版カメラ、大判カメラ、などなど、様々なカメラがあります。
一眼レフカメラとは?
プロのカメラというイメージの強い、ニコンFのような、カメラの上が出っ張った形をしています。
レンズから入った光を、普段はミラー(鏡)を使って、出っ張りの中に収められているペンタプリズムを介してファインダーへ送ります。撮影するときにはミラーを仕舞って、光をフィルムへ送ります。
この仕組によって、フィルムに当たる像をそのまま見ることができるため、完成のイメージが掴みやすい仕組みになっています。
二眼レフカメラとは?
レンズの2つ付いたカメラのことです。どんなものがあるかは出品中の二眼レフ一覧をどうぞご覧ください。
ビューファインダーレンズと撮影用レンズで構成されていて、ビューファインダー用レンズから入った光を使ってカメラの上にあるファインダースクリーンに像を写し出します。そのため、カメラを上から覗きこんで、お辞儀をするような撮影スタイルとなります。
フィルムはブローニー判(中版)という少し大きなサイズのものを使っていて、写真は真四角の正方形に写ります。ローライやミノルタオートコード、マミヤC330が人気です。
レンジファインダーカメラとは?
ピントを合わせるファインダーが付いているカメラです。距離計連動式とも称され、レンズのピント繰り出し量がファインダーと連動しています。
高級カメラとして名の知れるライカがその代表で、一瞬のチャンスを捉えるストリートフォトグラフィーや、カメラを意識させないポートレートなどに威力を発揮します。
コンタックスI型やニコンS3などコンタックス系のレンジファインダー機や、コピーライカと呼ばれるニッカカメラ、蛇腹が付いてコンパクトに折りたためるレチナなど、数とバリエーションはとても豊富です。
ハーフサイズカメラとは?
35mmフィルムの撮影サイズを縦半分にして、撮影可能枚数を二倍にしたカメラです。ハーフサイズカメラと言えばオリンパス・ペンで、小さなカメラにも関わらず、ライカのサブ機としても使えるようにと高性能なレンズが搭載されていて、写りの良さが人気です。
ハーフサイズ唯一の一眼レフシステムを持つペンFや、優れたデザインのダイアル35など特徴のあるカメラが多く存在しています。
中判カメラとは?
ブローニー版という少し大きめのフィルムを使うカメラです。フィルムサイズの大きさを活かした迫力のある画が魅力の一つでもあります。
ローライやハッセルブラッド、マミヤRB67など、風景やスタジオ撮影などを中心に、多くのプロから絶大な支持を受けたカメラが多くあり、オークションでも良い物がたくさん出品されています。
フィルムカメラはどうやって使うの?
カメラにもよりますが、基本的にはフィルムを入れて、撮影し、フィルムを取り出すという使い方をします。
電池を使わない古いカメラのために、当サイトではフィルムカメラの使い方として、一眼レフ、レンジファインダー、二眼レフの操作マニュアルを紹介していますので、是非ご活用ください。
おすすめのフィルムカメラは?
ライカ、ローライ、ハッセルブラッドなどの高級ブランドをおすすめしています。
中古でのフィルムカメラが安くなり、かつての高嶺の花、夢であったブランドカメラが手に入りやすくなっています。細部まで丁寧に仕上げられたカメラは体に馴染んで使いやすく、何より満足感が高いです。今がホンモノを手にすることができるチャンスです。
フィルムカメラの何がいいの?
フィルムにはデジタルにない独特の世界観を醸し出す描写があります。ユルくもありシビアでもある写真の表現はフィルムならではの深みとおもしろさがあります。また、過去およそ100年間にも及ぶ膨大なカメラ資産を活用できることで、カメラに自分を合わせるのではなく、自分に合ったカメラを見つけて撮影をすることができます。
また、フィルムカメラを使うと撮影直後に背面モニターを確認する癖がなくなり、被写体の一瞬に全てを集中させる撮影スタイルに変わってきますので、撮影者本人の持つ眼差しの「良さ」を引き出す力があるかもしれません。
デジタルよりお金がかかりそう、どのくらいかかるの?
デジタルカメラのほうがお金がかからないと言われていますが、趣味のカメラではむしろフィルムのほうが安いことが多いです。簡単に計算しますと以下のようになります。
始めるのに必要な金額
- デジタル
-
カメラ 29,800円 (型落ち前のマイクロフォーサーズミラーレス)
合計 29,800円
- フィルム
-
- カメラ(中古) 5,000円
- 36枚撮りネガフィルム 500円
- 現像(DPE依頼) 500円
- フィルムスキャナー 5,000円
合計 11,000円
フィルムはプリント前の確認のため、パソコンで見ると仮定してフィルムスキャナーを加えています。「フィルムはお金がかかる」というイメージはどこから来ているかと言いますと、同時プリントをしてしまい、後々捨てる失敗写真まで全てプリントしているところに起因します。
また、ランニングコストとしてフィルムは一本あたり1000円かかります。月1本使って年間12,000円です。実際のところ、仕事で忙しい、休日写真を撮る時間がなかなか作れない、などなどの理由で、月1本撮り切るのも難しいというのが現実ではないでしょうか。そうして考えると、毎年デジタルカメラの新製品が出るたび買い換えるよりも遥かに安く済んでいることにお気付きになるでしょう。
フィルムにはどんなものがあるの?
カラーで、プリントをすると写真が見られるカラーネガフィルム、印刷、スライドなどプロ・研究者向けに使われ、フィルムをそのまま光に透かして見ることの出来るリバーサルフィルム、伝統的で海外でも根強い人気のモノクロフィルムがあります。
カラーネガフィルムとモノクロフィルムは、プリント(引き伸ばし)をして写真を見ることができます。また、変わったフィルムとしては、赤外線を写すことのできる赤外線フィルムというものがあり、人間の眼では捉えられない景色をアーティスティックに表現します。
いずれのフィルムも写真店に持ち込むことで現像をすることができます。(現像所に送る場合は若干時間がかかります。)
フィルムって無くなるんでしょ?
10年ほど前にも「10年以内にフィルムはなくなる」なんて話もありましたが、フィルムはまだ売られています。
それよりか、この10年で体力の衰えを感じたり、10年後の健康に不安を感じることの方が切実ではないでしょうか。フィルムよりも先に逝ってしまうなんて冗談でなく有り得ます。
今選べるだけのフィルムがあり、カメラが驚くほど安く手に入ることに注目してください。よくよく考えたら、こんなに良い時代はありませんよ!