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QC ニッコール 5cm f3.5とは
キヤノン、ニッカに供給された戦前戦後期のレンズ
QCニッコール5cm/f3.5は、日本光学(現ニコン)が製造したレンジファインダー用の標準レンズです。
戦前から精機光学(現キヤノン)のカメラに対して供給してきたこのレンズは、第二次世界大戦の終戦間もない1945年12月、キヤノンやニッカの製造再開を前に早くも製造が再開されました。
戦前のキヤノンJ型などスクリューマウントカメラはライカスクリューマウント(Lマウント)とネジピッチの異なる規格を採用しており、これに対応するQCニッコール5cm/f3.5は純正のライカに付けることは出来ません。ただし、一部メーカーのL/Mマウントアダプターを用いることでM型ライカに取り付けることは可能なようです。
使いやすい絞り設定リング
外観はライカのエルマーと同じく沈胴タイプです。鏡胴の回転方向に矢印が施されていたり、絞りの設定リングが前玉の周辺ではなく、リングとして首周りに付いているなど、本家エルマーと造りの違いがあります。
特に絞り設定リングは、本家エルマーのものは設定しにくいですから、対するニッコールのレンズはとても優れた実用面で使いやすい構造になっています。
後期に製造されたものは固定鏡胴となり、絞り羽根の位置は本家エルマーと同じ第1レンズの後ろから、第2レンズの後ろへ変更となり、テッサータイプへと変わりました。
安定のシャープさ
レンズの設計はシンプルなエルマー・テッサータイプ。評判の高いライカのエルマーを始め、そのエルマーレンズのコピーも高い性能が評価されているのと同様に、ニッコール5cm/f3.5も高い性能を有しています。
ピントのシャープさはもちろんのこと、絞り開放からコントラストが高く、ハロやフレアが広がりません。
また、戦時中に発展したレンズコーティング技術を民生用に初めて施したものがあり、この個体には「C」という赤字が書かれています。
発色は地味目ですが、古いレンズとは思えないほど良く写るから驚きです。
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スペック
- 発売年
- 1945年
- マウント
- ライカスクリュー(L)マウント
- レンズ構成
- 3群4枚
- 絞り
- f3.5-f22