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ノクトン 50mm F1.1とは
コシナ創業50周年の集大成
ノクトン50mm f1.1はレンジファインダーカメラ用の大口径標準レンズです。
コシナ創業50周年、フォクトレンダー復活10周年を記念して発表したアニバーサリーレンズの一つで、このノクトン50mm f1.1はその中でも目玉的な存在でした。製造の難しさから発売当初から品薄となるなど人気のあるレンズです。
国内では過去、1953年にズノーが「5cm f1.1」を、1956年にニコンが「ニッコール 5cm f1.1」を発売して以来、半世紀ぶりの登場となる大口径50mmレンズは、ズシリとした重量感がありながらコンパクトであり、一眼レフ向け大口径ズームレンズに比べて圧倒的な小ささです。
あえて球面レンズを使う
現代の大口径レンズでは、球面収差低減のために非球面レンズを用いるのが一般的ですが、ノクトン50mm f1.1ではあえて球面レンズを採用して画質を追求する設計が採られています。
球面レンズを使用することで、非球面レンズでは出せないボケ味の素直さが引き出されています。
紙のように薄い被写界深度
ノクトン50mm f1.1は、絞り開放時の被写界深度が浅く、ピント照合面は紙のように薄く、その前後から加速度的にボケが広がっていく様がとてもドラマチックで美しい演出になります。
多くの超大口径レンズでは絞り開放時にコントラストが低く、エッヂのハッキリしない描写になります。絞り開放は緊急時と割り切り、常時絞った状態で使用するという常識があるなかで、ノクトン50mm f1.1は明快なコントラストとハッキリとしたピントが得られるため、どのf値でも画質を気にせず使用することのできます。
一般的な明るい50mmレンズの開放f値はf1.4で、f1.1とは0.3の違いがあります。数値上ではわずかな値ですが、やはりf1.1の被写界深度は浅く、ボケを活かした撮影ではこのレンズの特別さを実感出来ます。
高性能なレンズだからこそ、日中・夜間問わず開放絞りでのボケを活かした撮影に最適です。昼間に使う場合は明るすぎてしまうため、レンズに入る光を調整するNDフィルターの入手をオススメします。
球面レンズで高解像度、性能は高い
ノクトン50mm f1.1は現代のレンズ設計による優等生レンズであり、その上にクセという個性をテイストした魅力的なレンズです。
絞り開放では周辺が落ち、被写界深度の浅さをますます強調されることで、何気ない景色も独特の世界観に変えることができます。
球面レンズながら画面周辺での像の流れや極端な甘さもありません。点光源をボケした際にはレンズの個性が発揮されます。球面大口径レンズとしては、クリアでシャープな高い性能とボケの滲みなどの個性とのバランスを上手く合わせたレンズであり、どんなシーンでも使いこなせます。
ノクチルックスを意識したデザイン、価格は1/10。
ライカMマウントの超大口径レンズとして有名なのは、ノクチルックス 50mmです。最初のノクチルックスは1966年に登場したf1.2(第1世代)で、その後、f1.0(第2世代)、f0.95(第3世代)が登場し、3つのバージョンが存在しています。
ライカ好きなら一度は使ってみたいと思うこのノクチルックスの価格は111万3000円です。
対するノクトン50mm f1.1は、レンズの外観は第1世代に似て、明るさは第2世代に近く、価格は第3世代の約1/10です。両レンズを試し撮りした結果によると、写りの傾向は別ですが、シャープネスの面では大きな差がなく、非常に良く写るとされています。
100万円と性能の大きく変わらないf1級レンズを10万円程度で手に入れることが出来るのなら、満足度も10倍といえるのではないでしょうか。今まで手に入れることの難しかったレンズです。この機会にぜひノクトン50mm f1.1を手に入れてください。
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スペック
- 発売年
- 2009年
- マウント
- VMマウント
- レンズ構成
- 6群7枚
- 絞り
- f1.1-f16
- 撮影距離
- 1.0m-無限
- フィルター径
- 58mm
- 重量
- 428g
- 価格
- 131,250円