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キヤノン19mm f3.5とは
昭和39年に登場した超広角レンズ
キヤノン19mm f3.5が登場したのは1964年のことです。キヤノンは当時、ライカLマウント互換のカメラやレンズを発売していました。
当時、ライカマウントで最も広角なレンズは25mmでしたので、それを上回る超広角レンズの登場で新たな表現の幅が広がりました。
大きな後玉の出っ張りはレンジファインダーの強みが活きる
このレンズの大きな特徴は、その画角の大きさのみならず、後玉が後に出っ張った形状もその一つです。
一眼レフではミラーボックスがあるために、ミラーアップした状態でないと装着できませんが、レンジファインダーではレンズからシャッター幕まで障害物がありませんので、こうしたレンズも難なく取り付けることができるのです。
この出っ張りを無くす設計として、レトロフォーカスというものがあります。1932年に映画カメラマンが特許を取り、1950年にフランスのアンジェニューが発売したレンズの設計は、発売当時には間に合わなかったようです。
なお、このレンズは3つのタイプに分かれます。一つはレンジファインダー用、もう一つはマウント違いの一眼レフ用。もう一つは、翌年1965年に発売された、一眼レフ用にレトロフォーカス設計を採用した新設計のレンズです。
超広角にしてこの明るさ
広角レンズであればあるほどレンズの設計は難しいものとなりますが、昭和30年代に19mmで開放f値3.5を実現しています。他社の同等品と比べて半段明るくしていることもあって、この時代のキヤノンレンズの傾向であるスペック優先の味が出ています。
超広角で良く出現するハレーションやゴーストが特徴ともいうべきオールドレンズの味です。個性的で、現代の優秀なレンズにはない雰囲気を出すことができます。
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スペック
- 発売年
- 1964年8月
- マウント
- ライカスクリュー(L)マウント
- レンズ構成
- 7群9枚
- 絞り
- f3.5-f16
- 最短撮影距離
- 0.5m
- フィルター径
- 55mm
- 重さ
- 200g