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キヤノン 50mm f1.2 Lマウントとは
大口径競争で生み出された高性能レンズ
キヤノン 50mm f1.2は、キヤノンが1956年に投入したLマウント(ライカスクリューマウント)の大口径レンズです。
1950年代当時、世界各国は明るいレンズ=大口径レンズの開発競争が加熱していました。日本のカメラメーカーは、フジノン50ミリ/f1.2、ニッコール50mm/f1.1、ズノー 50mm f1.1といった明るいLマウントレンズを次々に送り出し、キヤノンからは、50mm/f0.95と、この50mm f1.2が登場しました。
5群7枚のレンズ構成のうち4枚に新種ガラスを採用し、カラーフィルムに対応するための新たなコーティング技術が投入されました。
一般的に50mmではf1.4が最も明るいレンズの部類となりますが、f1.2はそれを上回る明るさであり、被写界深度の浅さもグッと薄くなって、より大きなボケを愉しめます。
f1.2の淡い滲み
現行のレンズと比べても非常に明るいf1.2。絞り開放では大きく独特なボケと滲みが美しく、現代のレンズにはない味のある描写です。
至近距離で被写体を写せば、背景は溶けて崩れるように主役を引き立てます。しかも絞りを絞ればキリッと締まって細部まで写し出すのはオールドレンズならではの面白さです。
淡く軟調な画が優しい個性のあるレンズです。どのレンズにもない特徴は希少です。
使いやすく生産本数も多い、狙い目のレンズ
50mm/f0.95の陰で決して目立つ存在ではないこのレンズ。しかし、入手できる個体が多く、じっくり良いものを選ぶことができます。
そればかりか、ライカM4などのM型ライカに取り付けてもファインダーがケラれることがなく、しっかりとファインダー枠を使うことができるのです。
f0.95は最高のスペックであり、憧れるのも当然です。けれども、普段使うとしたら、このf1.2が適任でしょう。大口径レンズの中でも中古価格は不当に低いと判断しています。脚光を浴びる前に、状態の良い個体をぜひ入手しておきたいレンズです。
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スペック
- 発売年
- 1956年9月
- マウント
- ライカスクリュー(L)マウント
- レンズ構成
- 7枚5群
- 絞り
- f1.2~f22
- フィルター径
- 55mm
- 重さ
- 322g
- 発売当時価格
- 60,000円