ニッコール 35mm f2.8

Nikkor 35mm f2.8

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ニッコール 35mm f2.8とは

スタンダードなf2.8の35mmレンズ

ニッコール35mm/f2.8は、ニコンの一眼レフ用広角レンズです。

当時一眼レフ用の広角レンズの開発は困難を極め、ニコンFの発売から二ヶ月後に発売され、その後間もなくレンズの設計変更が行われました。

ありふれた35mm/f2.8というスペックでありながら、一眼レフ用レンズの黎明期に登場したニッコール35mm/f2.8にはいくつかのバリエーションが存在することになります。

3回に及ぶレンズ設計の変更

最初に発売された「Nikkor-S Auto 35mm f2.8」には前期型と後期型があります。

前期型は初期のレトロフォーカスタイプのレンズで設計性能が低く、製造上も難易度が高いために生産数量が思うように伸びませんでした。

そこで登場したのが後期型で、レンズ設計を根本から見直し、、球面収差、コマ収差、像面湾曲など諸収差を改善するとともに、生産性も向上して順調に生産ができるようになりました。

その後、Nikkor Auto 35mm f2など優秀なレトロフォーカスタイプレンズが開発されるなかで、35mm/f2.8にも新しい技術投入が必要となり、レンズ枚数を減らして性能を向上させたニューニッコール35mm/f2.8が10年以上の歳月を経て登場しました。小さな前玉径の中に肉厚なレンズの入ったレトロフォーカス型35mmレンズの決定版ともいえる洗練された構成となり、この設計によって周辺光量が格段に増し、特に歪曲収差をほぼ完全に補正することに成功したのです。

そして同じレンズ構成のままAi化された後、Ai-Sでは5枚5群のレンズ構成へと再度設計が変更されました。

特徴の違いを楽しめるレンズ

同じスペックで大幅な光学設計の変更が度重なるレンズはそう多くありません。

ニッコールオートとニューニッコールとで比べてみても、前者はコマ収差のためにコントラストは低く柔らかめとなり、後者は収差が補正されてコントラストの高くキリッと写ります。

ニッコールオートでは同心状に流れるような背景が出ることもあり、一方ニューニッコールではそれらが改善されています。しかしボケエッヂが立って少し固めな印象を受けることもあり、オールドレンズとしては一概に評価しずらいところです。

Ai-Sにおいても絞り開放ではソフトに柔らかく、絞るとカリカリにシャープネスが向上します。コンパクトであり、また扱いやすく、意外とデリケートで繊細な線を描きます。非常に魅力的なレンズです。

現在のオークション出品

オークションの出品はないようです。

バリエーション

ニッコール S オート 35mm/f2.8
1959年発売。レンズ設計の異なる前期型と後期型が存在しています。
ニューニッコール 35mm/f2.8
レンズ設計を変更し、レンズ枚数は6枚となりました。1975年発売
Aiニッコール 35mm/f2.8
1978年発売。Ai対応
Aiニッコール 35mm/f2.8S
更にレンズ設計を変更し,5群5枚になったAi-S対応モデルです。

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