ニッコール 35mm f1.4

Nikkor 35mm f1.4

images by bing

ニッコール 35mm f1.4とは

35mmに最高の明るさを

ニッコール35mm/f1.4はニコンの一眼レフ用大口径広角レンズです。

35mmクラスにおいて非常に明るいレンズでありながら、優れたレンズの光学設計によって小柄な52mmのアタッチメントサイズにまとめられています。

このレンズはニコンF2が発売される半年ほど前に登場しました。1956年登場当時は世界最高の明るさだったW-Nikkor 3.5cm/f1.8も、その頃には他社からより明るいレンズが出るようになっていました。レンジファインダー用の35mm/f1.4は試作のみで計画が中止になってしまいましたが、一眼レフ用として新たに開発がスタートしたのでした。

開発から5年の歳月を経て、マルチコート化された35mm/f1.4は1971年に登場し、その後マルチモードAEに対応したAi-Sレンズとしても製造が続けられました。なお、Ai-S版は反射防止効果のより高いスーパーインテグレーテッドコーティングが採用されています。

f1.8~f2で一番美しい描写

ニッコール35mm/f1.4の本領を発揮するのは、半段~一段絞った際の描写です。

繊細で解像力のある性能を持ちながら、絞り開放ではハイライト部にサジタルコマフレアが淡く被さり、人の肌を湿り気を含めたように柔らかく写します。このフレアは少し絞ると消えてしまいますので、画像の引き締まった鮮鋭さと適度なコントラストが両立する半段から一段絞った描写に人気があります。

絞り込めばニッコールレンズらしいコントラストの高さで、切れ味のある鋭い描写に変わります。絞り値で描写の性格が変わるのはオールドレンズならではの特性であり、ここにも人気の秘密が隠されているのです。

開放では柔らかく、絞れば引き締まる描写。周辺光量も多く、優れたコーティングにより逆光にも強いため、どんなシーンでも使えます。ふわっとボケる背景と、そして繊細な描き方は実に魅力のあるレンズです。

黄色になるニッコールNCオート35mm/f1.4

初期のニッコールNCオート35mm/f1.4は、光学ガラスが経年劣化で黄色に変色する減少が認められます。

「ヤケ」と呼ばれる現象が発生した個体は、カラーではアンバー系の発色となり、モノクロではコントラストが上がるなどの描写面での変化が発生します。なお、黄色したレンズはモノによって紫外線照射を行うと黄色が消えることがあります。

ニューニッコールからは硝材の変更とレンズの曲率変更があり、「ヤケ」は起こりません。また、絞り開放時の性能も向上していますので、ニュートラルなカラーバランスと高画質をお求めなら、ニューニッコール以降のバージョンをオススメします。

現在のオークション出品

オークションの出品はないようです。

バリエーション

ニッコール NC オート 35mm/f1.4
1971年発売。ニコン初のマルチコーティングレンズ。トリウムガラスの採用により経年劣化で黄色になっている個体が多くあります。
ニューニッコール 35mm/f1.4
1976年発売。硝材と設計変更で絞り開放時の性能が向上しています。
Ai ニッコール 35mm f1.4
1977年発売。Ai対応
Ai ニッコール 35mm f1.4S
マルチモードAEに対応したAi-S版。後期のものは反射防止効果の高いスーパーインテグレイテッドコーティングを採用しています。

最近「ニッコール 35mm f1.4」を話題にしたブログ

情報なし
取り上げているブログは見つかりませんでした。