ニッコール 28mm f3.5

Nikkor 28mm f3.5

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ニッコール 28mm f3.5とは

揃えるべきレンズの王道

ニッコール 28mm/f3.5は、ニコンの一眼レフ用広角レンズです。

1959年にニコンFが登場してから、備えるべきレンズの王道セットとして「28mm/f3.5」「50mm/f2」「135mm/f3.5」がありました。いずれも名玉として知られており、その中でも現代の感覚からすれば開放f値が暗く平凡なスペックである28mm/f3.5は、意外なほどの性能の高さから現在もなお高い評価を得ています。

日本がレンジファインダーから一眼レフへ転向していく時代、広角レンズの開発に有利なレンジファインダーカメラではなく、新たな技術の確立が必要な一眼レフカメラにおいて、ニコンSシリーズで定評のあるW-ニッコール2.8cm/f3.5より高性能なレンズの開発を任された脇本善司氏は、レンズ後群の新しい構成を発見して画面周辺部のコマ収差を劇的に改善させることに成功しました。この発見は後の一眼レフ用超広角レンズや大口径広角レンズなどの開発に多いに役立つものでした。

安いだけじゃない。ユーザに支持される高描写

描写について定評のあるニッコール28mm/f3.5は、最初の設計のままレンズ構成を変えずに販売をし続けたロングセラーレンズです。累計生産数は30万本と非常に多く、28mm/f2が登場してなおもラインナップされています。

その人気の秘密は、想像以上に良く写るレンズの良さにあります。

被写体の、例えば髪の毛一本一本まで細かく写し撮る解像力や、絞りを開けた際の素直なボケ味、肌の色味の美しい発色の良さ、広角でありながらディストーション(歪曲収差)が非常に少ないことなど、レンズとしての性能は一級品です。コマフレアの少なさから、レンズに妥協のない天体写真ファンにも愛用されました。

中古で安価に手に入る

ニッコール28mm/f3.5は非常に優れた性能を持ちながら、市場の評価に反映されない不思議なレンズでもあります。

f3.5という控えめな絞り値であったり、ニッコールHオートのもので最短撮影距離が60cmと抑えられているというスペック上の印象(ニューニッコール以降は30cm)や、製造本数30万本、15年以上も製造され続けたレンズですので流通量が豊富であることも一因かもしれません。

しかし描写はご紹介した通りです。何より良く写るのは間違いありません。ミラーレスカメラに取り付ければAPS-Cサイズで焦点距離は1.5倍となりますので、思ったより被写体を大きく撮ることができます。f値も高感度に強いデジタルとピーキング機能によって補われ、本来のレンズの持つ味を楽しむことができますよ。

現在のオークション出品

オークションの出品はないようです。

バリエーション

ニッコール H オート 28mm f3.5
1960年発売
ニッコール HC オート 28mm f3.5
1974年発売。マルチコート化
ニューニッコール 28mm f3.5
1975年発売
Ai ニッコール 28mm f3.5
1977年発売。Ai対応

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