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タンバール 90mm f2.2とは
唯一のソフトフォーカスレンズ
ギリシャ語の「タンボス(Thambos)」=驚きが語源のタンバールは、ライカで唯一のソフトフォーカス(軟焦点)レンズです。Lマウントで古いレンズにも関わらず、後継のレンズがないことや独特の写りに強い人気があります。
中心1cmが鏡面になって遮光されている専用のフィルターを装着することで、ソフトレンズとしての機能が強まるように設計されています。絞り開放からf6.3にかけてソフト効果があり、絞りを開けるほどその効果が強く、背景には独特の円形ボケが現れるようになります。
絞り値は、フィルター装着時はレンズの鏡胴に刻まれた赤字の値に合わせ、取り外したときは白文字の値に合わせます。
希少価値の高いレンズ
製造本数が2984本と非常に少なく、知名度と希少性も相まって世界的に人気があります。特に専用のフードとキャップ、フィルターの一式セットになったものには高い価値が付けられています。
レンズのバリエーションは前期型の距離指標リングがニッケルのものと、後期型のクロームのものが存在しています。
シャープな像に覆いかぶさるヴェール
タンバールはレンズの球面収差を過剰に補正することでソフト効果を出す構造となっていて、色収差は良好に補正されているためにカラーも美しく表現することができます。
ピント面は絞り開放からシャープで線の細い繊細な像を結び、絞り値によってソフトな滲みが表れます。ただ柔らかくボケているのではなく、繊細で絵画ティックな水彩画のように美しい描写です。
ボケには癖があり、絞り開放付近で近接すると流れや強い滲みがあり、アウトフォーカスで点光源などが入るとリングボケを得ることができます。
独特な描写を活用することで芸術性の高い写真を生み出すことができるため、扱いの難しさ以上に魅力のある描写が大変人気です。写真家木村伊兵衛も「このレンズの味はなかなか粋なもんですよ」と語るなど、古くから人々を魅了し続ける銘玉です。
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スペック
- 発売年
- 1957年
- マウント
- ライカLマウント
- レンズ構成
- 3群4枚
- 絞り
- f2.2-f25
- 撮影距離
- 1.0m-無限
- フィルター径
- 48mm
- フード
- SHEDE