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ズマリット 50mm F1.5とは
ライツ初の大口径レンズ
ズマリット50mm f1.5は、クセノン(Xenon)レンズを製造したテイラー&ホブソン社の技術供与で実現したライカ初の大口径レンズです。ライカ独自の設計で新種ガラスを採用し、クセノンレンズよりも描写性能が高められています。
1949年にライカIIIf用にLマウントレンズとして製造され、その後、ライカM3の登場によってMマウント化されています。
鏡胴は質感の異なるクロームメッキを組み合わせたもので、多くの日本製レンズのデザインに影響を与えました。精密感があり、スッキリとした印象のあるレンズです。
15枚の絞り羽
無断階の絞りリングをひねると、大きなレンズに挟まれた実に15枚もの絞り羽が、見事な円形に絞りこまれていきます。
これは現代のレンズにはない造りで、ズマリット50mm f1.5が当時いかに高級なレンズであったかを感じさせる質感の良さです。
大きなガラスレンズの中を絞り羽根が円を描いて絞りこまれて行く様は圧巻。
魅惑の「クセ玉」
往年の大口径レンズであるズマリット50mm f1.5は、描写に関しては個性的な「クセ玉」として知られています。
絞り開放時にアウトフォーカス部分のボケは非常に大きく、背景によってはぐるぐると回るような流れが独特の味付けになります。
逆光に弱く、フレアが発生しやすいとされていますが、フードを装着しての撮影では開放でもある程度の逆光に耐えることもできます。もっとも、前玉が柔らかいガラス素材のために拭き傷などがあり、これが描写に影響を与えていることが多く、現代では個体差が大きいと言えます。
もちろん、なかには故意にフレアを発生させ、魅力的な作品にするためにズマリット50mm f1.5を選ぶ人もいます。被写界深度は浅く、順光ではハイライトが柔らかく滲みます。非常に線の細い、繊細でシャープな描写であると共に、絞り込むと硬質でシャープなものへと特徴が変化します。
絞り値によって描写が変化し、様々な特徴を見せるズマリット50mm f1.5は、クセ玉であるとともに使いこなし甲斐があり、強い魅力のあるレンズとして根強い人気を得ています。
カラーの良さ
ズマリット50mm f1.5の色諧調は素晴らしく、素直な表現力を持っています。やはりモノクロ時代のレンズであり、モノクロではその良さを更に実感することができます。
マウントアダプターを使ってデジタルカメラで使用すれば、オールドレンズの魅力を気軽に楽しむこともできますよ。
現在のオークション出品
バリエーション
- L/Mマウント
- Mマウントレンズは1954年にライカM3に合わせて発売されています。
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スペック
- 発売年
- 1949年
- マウント
- ライカLマウント、Mマウント
- レンズ構成
- 3群6枚(Mマウントは5郡7枚)
- 絞り
- f1.5-f16
- 撮影距離
- 1.0m-無限
- フィルター径
- 41mm
- フード
- XOONS